【学校法人会計の実務】事業活動収支計算書の概要

一般の事業会社における損益計算書に相当する計算書類です。
区分や科目も類似しており細かい論点を除けば特に難しくありません。

◆事業活動収支計算の目的
資産や用役の消費額である事業活動支出とその填補に充当できる事業活動収入とを活動ごとに対比し、両者の均衡の状態を明らかにすること。
活動ごととは、学校法人の活動を経常的及び臨時的収支に区分し、さらに、経常的活動を教育研究に係る活動と教育活動外に区分して、それらの収支状況を把握し、対比できるようにすることを指す。

本業である教育研究活動の収支差額と、資金調達・運用、収益事業の収支差額を足して経常収支差額を計算し、さらに臨時的に発生する特別収支差額を合計し、基本金組入前の当年度収支差額を計算し、ここから基本金組入額を控除し、当年度収支差額が計算されることにより、学校法人の経営の状況をよりわかりやすく示すこととなる。

◆事業活動収支計算と資金収支計算の違い
資金収支計算書は会計年度の諸活動に対応する収入及び支出の内容並びに支払資金の収支のてん末を明らかにし、事業活動収支計算書は活動ごとに事業活動収入・支出の内容を明らかにするとともに、基本金組入額を控除したすべての事業活動収支の均衡の状態を明らかにするものであり、計算目的が異なることから各収支は以下のような関係にある。
事業活動収入=資金収入ー借入金収入ー基本金組入額
事業活動支出=資金支出ー借入金返済額ー資本的支出+減価償却額

◆事業活動収支計算書の活動収支の内容
教育活動収支=経常的な事業活動収入及び事業活動支出のうち、教育活動外収支に係る事業活動収入及び事業活動支出を除いたもの。
教育活動外収支=経常的な財務活動及び収益事業に係る活動に係る事業活動収入及び事業活動支出。
特別収支=特殊な要因によって一時的に発生した臨時的な事業活動収入及び事業活動支出であり、資産売却差額、施設設備寄付金、現物寄付、施設設備補助金、資産処分差額、過年度修正額、災害損失等がある。金額の多寡を問わない。

◆基本金組入額・取崩額の表示方法
基本金の組入額=当年度収支差額の前に基本金組入額として表示
基本金の取崩額=翌年度繰越収支差額の前に基本金取崩額として表示

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