【学校法人会計の実務】計算書類の注記事項

今回は計算書類の注記事項について、記載すべき注記事項一覧と一部注記の内容について解説です。

◆注記事項一覧
(1)重要な会計方針
①引当金の計上基準(徴収不能引当金及び退職給付引当金については必ず記載する)
②その他の重要な会計方針
・有価証券の評価基準及び評価方法
・たな卸資産の評価基準及び評価方法
・預り金その他経過項目に係る収支の表示方法
・食堂その他教育研究活動に付随する活動に係る収支の表示方法、等
(2)重要な会計方針の変更等
(3)減価償却累計額の合計額
(4)徴収不能引当金の合計額
(5)担保に供されている資産の種類及び額
(6)翌会計年度以降の会計年度において基本金への組入れを行うこととなる金額
(7)当該会計年度の末日において第4号基本金に相当する資金を有していない場合のその旨と対策
(8)その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項
※1 (1)②は重要性がある場合のみ記載。重要性の有無は注記項目が計算書類に与える影響額又は学校法人の財政及び経営の状況に及ぼす影響により判断する。
※2 (1)〜(8)までは学校法人会計基準35条の第7号様式に定められているため、該当がない場合でも項目の削除は不可である。

◆偶発債務
偶発債務は、将来において学校法人の負担となる可能性のあるものをいい、債務の保証、係争事件に係る賠償義務、割引手形等が考えられる。
注記すべき金額は以下の通りである。
・偶発債務=その内容(その種類及び保証先)及び金額
・係争事件に係る賠償義務=その事件の概要及び相手方等
・手形割引高又は裏書譲渡高=金額

◆所有権移転外ファイナンス・リース取引
(1)注記が必要とされる所有権移転外ファイナンス・リース取引
次のいずれかに該当する場合には、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行うことができるが、賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行い、かつリース料総額の合計額に重要性があるときは『リース物件の種類・リース料総額・未経過リース料期末残高』等を注記する必要がある。
①リース料総額が学校法人の採用する固定資産計上基準額未満のもの(少額重要資産の場合を除く)
②リース期間が1年以内のもの
③リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下のもの(所有権移転外ファイナンス・リース取引に限る)
重要性の判断は学校法人の資産総額等を勘案して決定する。

◆後発事象
監査対象となる後発事象とは、会計年度末日の翌日から監査報告書日までの間に発生した会計事象で、学校法人の財政及び経営の状況に影響を及ぼすものをいい、(1)修正後発事象と(2)開示後発事象に区分される。

(1)修正後発事象
会計年度末日後に発生した事象であるが、その実質的な原因が会計年度末日現在においてすでに存在しており、会計年度末日現在の状況に関連する会計上の判断ないし見積りをする上で、追加的ないしより客観的な証拠を提供するものとして考慮しなければならない事象。
したがって、計算書類の修正が必要であり、注記の対象とはならない。

(2)開示後発事象
会計年度末日後において発生し、当該会計年度の計算書類には影響を及ぼさないが、次年度以降の計算書類に影響を及ぼす事象。
したがって、学校法人の財政及び経営の状況に関する的確な判断に資するため、開示後発事象のうち次年度以降の計算書類に重要な影響を及ぼすものについては、当該会計年度の計算書類に注記を行う必要がある。

後発事象の例としては以下のようなものがある。
・火災、震災、出水等による重大な損害の発生
・重要な係争事件の発生又は解決
・募集の停止又は再開、等

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