【学校法人会計の実務】ガバナンス制度及び監査制度について

平成16年の私立学校法の一部改正により強化された学校法人におけるガバナンスのあり方及び公認会計士による監査制度について解説です。

◆ガバナンス機能の概要
①理事制度
平成16年の改正により理事会の設置が明記され、その職務は学校法人の業務の意思決定を行い、理事の職務の執行を監督することとされています。
理事長は学校法人を代表してその業務を総理することが定められ、できる限り常勤化や兼職を制限することが期待されています。
そして、理事は寄附行為の規定により代表権が付与された場合にのみ代表権を有し、理事長を補佐して学校法人の業務を掌理することとされ、理事のうち1名以上は外部理事を選任する必要があると定められました。

②監事制度
監事の職務は学校法人の業務執行及び財産の状況の監査であり、学校法人の業務又は財産の状況について毎会計年度監査報告書を作成し、当該会計年度終了後2ヶ月以内に理事会及び評議員会に提出することが定められています。
また、学校法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときはこれを所轄庁に報告し又は理事会及び評議員会に報告することが定められているほか、学校法人の業務又は財産の状況について理事会での意見陳述件が与えられています。
監事は評議員会の同意を得て理事長が選任し、理事、評議員又は学校法人の職員との兼務が禁止され、1名以上は外部監事を選任する必要があると定められています。

③評議員会制度
評議員会は学校法人の業務執行の諮問機関としての位置付けが原則であり、寄附行為の定めにより重要事項の決定について評議員会の議決を要するものとすることができますが、理事会が業務の決定を行うに当たり評議員会の意思を確認する性質のものであって、学校法人の運営についての最終的な責任は理事会が負います。
また、理事長は会計年度終了後2ヶ月以内に決算及び事業の実績を評議員会に報告し、その意見を求めなければならないとされています。

以下の事項については、理事長は評議員会にあらかじめ意見を聞かなければならないこととされています。
・予算、借入金及び重要な資産の処分
・事業計画
・寄附行為の変更
・合併
・理事の3分の2以上の同意及び目的たる事業の成功の不能による学校法人の解散
・収益事業に関する重要事項
・その他の学校法人の業務に関する重要事項で寄附行為をもって定めるもの

◆公認会計士による監査制度
私立学校振興助成法では、同法に基づいて補助金の交付を受ける学校法人は学校法人会計基準に従い会計処理を行い、各種計算書類を作成し、その書類については補助金の額が寡少で所轄庁の承認を受けた場合を除き公認会計士又は監査法人の監査を受ける必要があります。
※補助金の額が寡少とは、交付される補助金の額が1,000万円未満の場合をいいます。

◆学校法人における監事監査と公認会計士監査の相違点
監事監査が財産の状況に加え、業務執行の状況を対象とするという監査の範囲の違いのほかに、監事の監査が学校法人の内部からの監査であるのに対し、公認会計士の監査は学校法人とは独立した外部監査であるという違いがあります。
財産の状況に関する監査は、計算書類が適正に作成されているかを監査することであり公認会計士監査と同様であるため、監事と公認会計士は監査上必要な情報交換を行い効率的な監査を実施することが望まれます。

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