【経理実務の注意点】監査を受けるうえでのポイント(=決算早期化)まとめ。

以前の記事で監査法人が監査する際のチェックポイントを金額勘定科目・注記に分けて解説しましたが、今回は少し補足を加えたまとめです。
チェックポイントを事前にしっかり押さえて決算作業を行うことで、決算作業自体が早く正確になるのみならず、監査もスムーズに終えることができ、格段に決算早期化することができます。

◆監査法人のチェックポイント
以前の記事に記載したため詳細は割愛しますが、監査法人は①金額及び②勘定科目や注記の様式については以下の目線でチェックしています。
いずれも勘定科目、誤りの多寡や利益推移により異なるため絶対ではありません。

①金額=ある仕訳について誤りが発見された場合は税前利益の2.5%〜4%が判断基準です。基本的にこの金額以上の誤りなら要修正です。
逆に税前利益の0.25%以下であれば修正不要となるケースが多いです。
上記の間の誤りは経営者確認書への記載という手続きが必要となります。
②勘定科目や注記の様式=印刷会社が発行している記載例に従っていれば問題ありません。

◆決算早期化のためには
以上を踏まえて決算早期化のポイントは2点です。

①金額=あまり細かい金額にこだわる必要がありません。特に開示(千円or百万円)に影響しなければまず監査上論点になりません。
経理規定として◯◯万円以下は修正不要と言ったルールを作り、事前に監査法人に合意を得ておくと良いでしょう。
②勘定科目や注記の様式=印刷会社が発行している記載例に基づき作成しましょう。勘定科目はあまり間違えることがないため、新しい注記項目を中心に確認しておけば効率的です。
特に有報は量が多いため、決算期前に気になる点を一つずつ確認しておくとスムーズに作業できます。

◆最後に
時々、経理の方から数千円の仕訳や非常に細かい言い回しなどについて相談を受けるケースがありますが、基本的には『監査上は問題ないのでお任せします』と回答しています。
どこまでこだわるかというのは各会社の方針であり我々会計士が口を出すことではないのですが、特に有報は作成量が膨大なためあまりに細かい金額や微妙な言い回しなどは時間をかけずにひとまず作成作業を進めるのが良いと考えます。
最後にどうしても気になれば修正すれば良いのです。

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