監査報酬の適正金額はいくらなのか?
監査を受ける側の企業からすると高く感じることの多い監査報酬ですが、適正金額はいくらぐらいなのでしょうか?
全く同一の企業というものは存在しないためケースバイケースなのですが、いくつか目安を確認する方法はあります。
◆監査人・監査報酬 実態調査報告書
こちらのサイトでは上場企業の監査報酬を確認することができます。
かなり大まかな区分ではありますが、毎年作成されているため最新の状況が分かります。
監査報酬についてもどのぐらいの金額範囲で行われているか確認できるので、例えば金額範囲から大きく外れているような場合には適正な監査報酬では無い可能性があります。
◆同業他社と比較
個人的にはこれが一番参考になるかと思いますが、有価証券報告書等の開示情報から同業他社の監査報酬を確認するのが良いでしょう。
有価証券報告書であれば直近の正確な金額を確認することができますし、公表されていない場合でも横のつながりがあれば直接会社同士で確認するのも良いでしょう。
◆各監査法人の水準を確認
基本的に監査報酬は見積り監査時間×単価で計算されますが、単価は各監査法人で異なります。
そこで監査人別上場会社リストといったサイトなどで各監査法人のクライアントを調べ、そこから有報等で同業他社や同規模程度の企業の監査報酬を確認すれば大まかな単価の状況は確認することができます。
特に大手監査法人と中小監査法人では差が大きい傾向にあります。
◆最後に
監査報酬は監査法人と企業との個別交渉で、過去の経緯や会計トピック、経理体制なども考慮されますが、なかなか双方が完全に納得いく金額となっていないケースが多いです。
多くの企業が法律に従って監査を受けているだけで、決して自発的に監査を受けているわけではないため少しでも監査報酬を下げたいと考えるのに対し、監査法人からは決して値下げの提案はされないため、双方納得いかないのは当然の状況ではあります。
今は特にコロナ禍で厳しい状況にある企業が多いですが、どうしても監査報酬に納得できない場合は企業としてはどういった手段を取りうるのでしょうか?
単純に監査法人を変えるという方法がありますが、それは容易な事なのでしょうか?
次回に続きます。