【節税】個人事業主(フリーランス)はスーツ代等を経費とすることができるのか?

『スーツは仕事時にのみ着用し、プライベートでは全く着用しない』という個人事業主(フリーランス)の方は多くいるかと思います。
これらスーツ代等に関する費用は必要経費の要件を満たしているように思えますが(以下過去記事参照)、必要経費として問題ないかについて解説します。
https://okabecpa.com/posts/個人事業主(フリーランス)にとって法律上認め/

既に判決が出ている
実は40年以上も前ではありますが『原則は家事費だが、例外的に家事関連費となる余地もある』という判決がでており、その要旨は以下の通りです。
・スーツは誰もが必要とし、その種類、品質、数量等は個人の趣味嗜好によってかなりの差異があることから、個人的な家事消費たる家事費に属する。
・ただし、地位・職種に応じ業務上必要とする場合には、家事費ではなく、家事関連費であると解するのが相当である。
・スーツを着用する機会の大部分が業務遂行上必要な場合で、その必要部分を明らかに区分できる場合は必要部分の経費は損金算入できる。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/055/018055_hanrei.pdf

スーツ代を家事関連費とするための要件
以下の状況であればスーツ代を家事関連費とすることは可能であると考えます。

・社会通念上、業務においてスーツ着用が必要であると認められる職種であること。
→例えば士業や営業マン、講師です。もちろんその他職種でもスーツ着用が業務上必要であることを証明さえできれば問題ありません。

・スーツ代等の金額が常識の範囲内であること。
→何十万円もする高額なスーツは個人の趣向であり、それが業務上必要であることを証明するのは容易ではないと考えられます。

・業務用とプライベート用の着用割合を明確に区分できること。
→実際スーツ着用は業務のみという方が多いと思いますがそれを証明する必要があります。例えば、スーツと私服の保管場所を分けたり、それぞれの着用写真を撮っておくと説得力は増します。

経費にできる割合(家事按分)
判決が『スーツ代は原則家事費』となっているため、上記要件を満たしたとしても全額必要経費とは認められるのは容易ではないと考えます。
そこで、大雑把ではありますが家事費と必要経費とを半々や曜日等で按分するのが無難ではあります。

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