個人事業主(フリーランス)がやるべき節税・やれる節税

税金を減らすための節税には色々な方法がありますが、①やるべき節税(=やらないと損)②やれる節税(=状況によっては有利)と、の2つに分かれます。

◆前提
一番の節税は、節税に使える数ある制度をしっかり理解して使いこなすことです。誰もが簡単にできる裏技のような節税などありません。
→節税に使うことができる数多くの制度から、常に現在の自分の状況に最適な制度を取捨選択することは意外と難しいです。面倒ではありますが、確実に自身のお金に直結するため非常に重要です。

また過去の記事で解説しましたが、節税のためとは言え以下のような行為はデメリットが大きいのでやるべきではありません。
・余計な経費の使用=単純に無駄です。基本的に売上に貢献しない又は効果が不明確な経費の使用は控えるべきです。
・闇雲に前倒しで経費使用=今年の税金は減りますが、それ以上に手元資金が減り資金繰りが悪化します。また、今年の税金を来年以降に繰延べているだけなのであまり効果は無いです。

◆やるべき節税(=やらないと損)
以下は絶対にやるべき節税ではありますが、全て確実にできている方は意外と少ないという印象です。

・青色申告→やらない理由がありません。青色事業専従者給与や赤字繰越など個人事業主にとってメリットは絶大です。

・ふるさと納税→制度自体に賛否はありますが、節税という観点では利用すべきです。

・各種控除を漏れなく申告→種類は多いですが、対象となる控除は一つずつ確実に申告しましょう。

・必要経費を漏れなく計上→意外と漏れがあるので支払いの都度エクセルなどで管理しましょう。また、家事関連費の按分(過去記事参照)も有利になるようにしっかり検討しましょう。

◆やれる節税(=状況によっては有利)
以下はよく節税として紹介されていますが、基本的に各制度には本来の趣旨があり節税のための制度ではなく、特に資金繰り面でのデメリットが大きいため本業とのバランスを見ながら慎重に利用すべきです。

・経費の前払い→主に消耗品や少額減価償却資産の購入、短期前払費用の特例の適用などですが、いずれも資金繰りは悪化するうえに税金を繰延べているだけなので、無理して前払いする必要はないです。

・経営セーフティ共済→掛け金は経費ですが解約返戻金は所得税がかかるので、上記経費の前払い同様に税金を繰延べているだけです。制度本来の趣旨は名前の通り中小企業・個人事業主のセーフティネットですので、使い方によっては一時的な節税に使えるという程度です。

・小規模企業共済→掛け金は経費になり共済金(解約手当金)は税制上有利な退職所得となるため明確な節税効果があります。ただし、20年以上加入しないと元本割れになるという大きなリスクがあります。
退職所得となるためには条件があります。

・iDeCo→掛金が全額所得控除、運用益が非課税、受取時に税負担を軽減する仕組み、というメリットはありますが、原則60歳まで引き出せない・商品によっては元本割れのリスクがあるというデメリットがあります。

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