中小企業経営者・個人事業主(フリーランス)は小規模企業共済に加入すべきか?節税効果は?
以前の記事では経営セーフティ共済について解説しましたが、今回は同じく中小機構が提供している小規模企業共済についてです。
どのような人が加入すべきなのか、またどの程度の節税効果があるのかについて解説します。
◆概要
・小規模企業の経営者や役員の方が、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てるための制度(=退職金制度)。
・掛金が全額所得控除できるなどの税制メリットに加え、事業資金の借入れもできる。
・掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲内で自由に選択することが可能。
◆対象者
個人事業主や小規模企業の経営者または役員が加入できる。
◆メリット
・節税効果が大きい(後述)。
・掛金納付月数や受取方法により異なりますが、掛金以上の共済金(解約手当金)を受取ることも可能。
・加入者は、掛金の範囲内で事業資金貸付や疾病災害時貸付などの複数種類の貸付制度を利用することができる。
・掛金の上限額(=受取れる共済金)が、年間最大84万円(=20年で16.8百万円、30年で25.2百万円)と大きい。
◆デメリット
・掛金納付月数によって元本割れと掛け捨てのリスクがあります。特に加入期間20年未満で任意解約した場合は元本割れとなることは要注意です。
・掛け金を拠出すると一時的に節税効果以上に資金繰りが悪化する。
◆節税効果
掛け金は全額損金算入できるうえに、老齢や廃業、怪我や病気による役員退任といった事由によって共済金を受け取る場合、退職所得または公的年金等の雑所得となり節税効果があります。
※65歳未満の任意解約は節税効果なし。
◆どのような中小企業経営者・個人事業主(フリーランス)が小規模企業共済に加入すべきか?
経営セーフティ共済と比べてメリットが多く使い勝手の良い制度という印象です。
節税効果・貸付制度の利用・上限額の大きさなど非常にメリットの大きい制度であるため、『任意解約の可能性が相当程度高いという方以外は積極的に加入を検討した方が良い』と考えます。
当面の資金繰りが厳しい方は少額からでも加入するのをお勧めします。