【公認会計士の仕事と魅力】試験制度・就職・年収編
先日琉球大学にて『公認会計士の仕事と魅力』というテーマでセミナーを行ってきました。
私が合格したのは10年以上前なので正直あまり覚えていなかったのですが、資料を読んでみると当時とあまり変わっておらずかなり記憶が蘇ってきました。
せっかくの機会なので数回に分けて公認会計士の仕事について紹介したいと思います。
公認会計士という名称はわりと知られているかと思いますが、その職業の内容について具体的に知っている方は少ないのではないでしょうか。
◆試験制度
公認会計士になるためには、①短答式試験、②論文式試験、③修了考査、の3つの試験に合格する必要があります。
①短答式試験=4科目のマークシート方式で12月と5月の年2回実施されます。②論文式試験に進むためにはどちらかに合格すれば良く、合格率は2割強です。受験資格は無いため、年齢・性別・学歴・国籍を問わず、誰でも受験可能です。
※短答式試験に合格すると、その年も含めて3回②論文式を受験することができます(2年間の免除)。
②論文式試験=いわゆる公認会計士試験の事を指していて、公認会計士となるための最大のハードルです。7科目の筆記試験で年1回8月のみの実施です。
合格率は4割弱と比較的高いですが、①短答式試験合格者の上位4割なので容易ではありません。
③修了考査=5科目の筆記試験で年1回12月のみの実施です。
合格率は約7割と高いのですが、受験者は皆②論文式試験合格者なのでやはり容易ではありません。
修了考査に関しては皆働きながら受験し、かつ受験回数制限も無いことから、ある意味いつ合格しても問題ない気楽な試験ではあります。
ただし、会計士登録は監査法人で昇格要件となっているケースもあることから、多くの受験生はしっかり勉強して臨みます。
※公認会計士として登録するには、その他に補修所というところで研修を受けて単位を取得することと、実務要件を満たすことが必要です。
短答式試験の免除者も含めた全願書提出者に対する合格率は10%程度です。
合格者の多くは早慶を中心とした有名大学在籍(出身)者であり、合格までの勉強時間は3,000時間とも言われており、やはり難関試験であると言えます。
◆合格者の年齢・職業
年齢:20〜24歳が約6割、25〜29歳が2割強と20代が大半を占めており、平均年齢は25歳前後です。
職業:学生が5割強、専門学校生と無職が各1割強ずつ、残りは主に会社員です。
◆就職
11月頃に②論文式試験の合格発表があり、無事に合格していればすぐに各監査法人の開催する説明会※に参加し採用試験を受けます。
採用難易度はその年毎に、また各監査法人により異なりますが、現在はどちらかというと売り手市場のようです。
ただし、上述した通り合格者の平均年齢は25歳前後で学生も多くいるため、例えば20代後半かそれ以上で年齢に見合った職歴がないと厳しいと考えられます。
※昨今では企業内会計士も一般的にはなってきましたが、やはり最初は大部分の方が監査法人に就職しています。
◆年収
昨今の公認会計士は、監査法人勤務、独立開業、企業内会計士とかなり多様性に富んでいるため一概には言えないのですが、転職支援会社の情報によると平均年収は概ね8-900万円程度だそうです。私の体感としてもまあそのぐらいかなという印象です。
ちなみに大手監査法人での年収は大体以下の通りです。
1-4年目(スタッフ)=6-700万円
5-7年目(シニアスタッフ)=7-900万円
8-10年目(マネージャー)=1,000万円前後
11-13年目(シニアマネージャー)=1,200万円前後
14年目以降(パートナー)=1,500万円〜
在学中に合格したとすると早ければ30歳で1,000万円、30代半ばで1,500万円も狙えます。
ただし、これはあくまで非常に順調に昇進したケースでかなり稀です。実際こういったキャリアの方もいますが、現実的には30代でパートナーになれればかなり理想的かと思われます。