【公認会計士の仕事と魅力】業務内容編

前回までの記事で試験制度・就職・年収キャリアについて紹介しましたが、今回は公認会計士の本業である監査業務についてです。

◆監査とは?
公認会計士または監査法人が財務諸表に対して行う会計監査のことを言います。
もう少し分かりやすく言うと、企業が作成した有報・四半報・計算書類等(以下財務諸表等)について、世に公表される前にチェック(監査)することです。

例えば現在2021年2月は多くの上場会社が2020年10〜12月期の四半期報告書を開示していますが、その最後に監査法人のチェック結果を記載した報告書が添付されてされています。
つまり、『財務諸表等をチェックし、その結果を報告書という方法で意見表明する』というのが監査業務です。
ほぼ財務諸表等は正しいことを意味する適性意見が表明されますが、部分的に正しい or 誤っているという意見が表明されるケースもあります。

◆具体的にどういうことをやるのか?
財務諸表等の全体をチェックしますが、大きく①会計データ自体のチェックと②開示書類が正しく作成されているかのチェック、に分けることができます。

①会計データ自体のチェック
主な方法としては、いくつかの仕訳をサンプルで抽出し計上根拠となる証票(契約書・請求書・注文書等)と照らして確認する方法と、過去の実績単価を用いた期待値分析(例:前期一人当たり人件費×当期人員数と当期人件費計上額の差に異常がないか)、の2種類があります。
何件サンプルを取るか or どのぐらいの差を異常とするかについては、各監査法人でルールが定められています。

②開示書類が正しく作成されているかのチェック
①でチェックした会計データを基に開示書類が正しく作成されているかをチェックします。
チェック項目は主に勘定科目・金額ですが、その他会計基準で要求される注記事項が正しく記載されているか等もチェックします。

◆監査業務の魅力
私見ではありますが、監査業務で要求される『監査の基準に従った手続きを漏れなく行い正しい監査意見を表明する』ということは決して困難な事ではなく、むしろルーティン化して淡々と終えられる業務である、というのが最大の魅力であると感じます。
淡々と単純作業に近い業務をこなし適正な報酬を得られる、とも言えます。

監査法人(公認会計士)は繁忙期に残業が多いというイメージがあり実際にそういう人が大部分なのですが、上述した監査の具体的な作業の大部分は前倒し可能です。
会計データは11ヶ月分、最低でも9ヶ月分は事前にチェックでき、会計基準や開示基準は毎年それほど大きく変わることもないので、どのような開示書類が作成されるかは事前に概ね想定できます。

ちゃんと準備しておけば繁忙期は会計データ1〜3ヶ月分のチェックと開示書類の作成過程を確認するだけで終わるのです。
経験上、繁忙期が大変という会計士は事前の準備不足や開示書類の理解不足が大半です。
もちろん最初は皆大変ではありますが、経験を積んでスキルを身につければ淡々と容易に終えられるというのが監査業務の魅力だと考えます。

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