良い監査法人・会計士・税理士の見つけ方

先日、私自身がある業務を外注する機会があり、ほぼ初めての経験だっため勝手が分からず何とか検討しながら業務委託先を選んだのですが、その際に感じた事・考えた事は、普段顧客に選ばれる立場の私にとっても色々と参考になる部分がありました。
皆様が監査法人・会計士・税理士(以下会計士等)を選ぶ際に役立つ情報もあるかと思いますので、会計士等を選ぶ際の主なポイントをご紹介します。

◆自己PRは当てにならない
昨今はあまり実体経済が良くないという事もあり、多くの会計士等がまず顧客を見つけることに必死になっています。
そのため、何とか契約まで漕ぎつけようと以前にも増して営業を頑張っていますが、その際の説明や資料は全て主観的な自己PRでしかないため鵜呑みにするのは危険です。
もちろん全く参考にならない訳ではありませんが、とは言え全て説明(期待)通りに業務を実施してもらえる事は当然とまでは言えないのが現状のため、話半分に聞くのが良いでしょう。

例えば、事前説明では業界に精通した優秀な会計士等という話だったのに、実際契約締結後にやり取りしてみると業界の事もイマイチ知らないし、日々のコミュニケーションも常に受け身で全くリードしてくれず、事前の説明(期待)と現実のギャップに不満を持つようなケースは珍しくありません。
また、業界特有ではありますが、最初は上手くいっていたのに2〜3年経つと退職等でチームメンバーがすっかり入れ替わっているということも往々にしてあります。
その他、メンバーの経歴についても、キャリアが長い人ほど経験業務が豊富で見栄えは良いですが、どのような仕事ぶりだったかはまでは分からないのであまり参考になりません。

◆大手は高価格だが高品質とは限らない
大手監査法人・税理士法人は中小や個人と比較して高い報酬となりますが、だからと言って高品質であるとは限りません。
在籍する会計士等は数百〜数千名もいるため各個人の能力や経験に相当な差があるのと、上述したようにメンバー交代がわりと頻繁にあるためです。
当然営業トークでは高品質が確保されているとアピールしますが、必ずしもそうなっていないのが実態で、実際に私も何度かある監査チームが監査先からメンバーを変えてほしいというクレームを受けている光景を目にしています。

◆客観的な評価が重要
主観的な評価や大手の看板はあまり当てになりませんが、逆に客観的な評価は非常に参考になります。
知り合いに紹介してもらったり、紹介会社のサイトで評価の良い会計士等を選ぶのが良くあるケースですが、最近ではGoogleマップ上にレビューが投稿されているケースもあります。
このような口コミにも評価者の主観が入ってはいますが、自己PRよりははるかに信頼度が高いです。
多くの人から良い評価を受けている会計士等を選ぶというのは、失敗しないためにかなり有効な方法です。

◆相性も重要
結局は人と人とのやり取りなので相性も非常に重要です。
実際、ある監査先での評判が悪くクレームを受けていた会計士が、別の監査先から絶大な信頼を受けているというようなことは時々あります。

しかし、説明資料の内容・短時間の面談・一方的に説明を受けるだけで今後の相性を判断するのは非常に難しいです。
そのため、会計士等を選ぶ側の皆様にも、一方的に相手の説明を聞くという受け身の姿勢だけではなく、相手に求めるポイント・気になる点・不明点などを事前に明確にした上で率直に質問して相手のリアクションを確認するといった働きかけも重要になってきます。

採用面接と同様に書面や短時間の面接だけで長期的な相性を判断するのは至難ですが、逆にある程度の期間色々とやり取りをすれば判断材料も増え失敗を減らせます。
会計士等への業務委託は基本的には数年単位と長期化する事が多いため、時間と手間をかけてでもしっかりコミュニケーションを取り不明点を全てクリアにする事をお勧めします。

◆最後に
ここまでの内容をまとめると、自己PRや大手の看板はあまり当てにせず、評判の良い会計士等と事前にしっかりコミュニケーションを取ったうえで決定すれば多くの失敗を防げるでしょう。
また、コミュニケーションを取る際には一方的に説明を聞くだけではなく、相手に色々質問してリアクションを確認するなど意識的な働きかけを行うことが重要です。
評判の良い会計士等の探し方は、紹介してもらえる知人がいるとベターですが、いない場合は専門家の検索(紹介)サイトで探すのが良いでしょう。
自身の住んでいる地域などエリア限定で探す事は、極端に選択肢が狭まるのであまりお勧めしません。
今はITの進歩によりリモートで大部分の業務が対応できるため、頻繁に来社しなくともちゃんとした業務を行う事は可能です。

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