良い会計士(監査法人)の条件とは?

前回の記事では良い監査法人・会計士・税理士の見つけ方について紹介しましたが、そもそも良い会計士とはどう言った会計士なのでしょうか?
人それぞれで決まった正解が無いように思えますが、実はちゃんと正解があるので今回は良い会計士の条件について紹介します。
私は4月に税理士登録予定でまだ税理士業務の経験がないため会計士を前提に記載しますが、おそらく大部分が税理士にも共通する内容です。

◆会計士の責任とは?
優秀な会計士とはしっかり責任を果たせる会計士です。
では会計士の責任とは何かというと、監査の場合は監査契約書に、その他監査業務以外でも(税理士も含め)必ず業務委託契約に記載されています。
上記契約書に記載された責任を、①品質、②コストの観点から果たしたうえで、かつ③委託企業と円滑なコミュニケーションが取れていること、というのが優秀な会計士の条件です。
以下公認会計士の本業である監査業務を前提に記載します。

①品質
優秀な会計士は高品質な監査業務を提供しますが、監査業務が高品質であるとは、正しい監査意見を表明し、かつ会計士協会のレビューで重大な指摘を受けない、ことを指します。

まず、正しい監査意見を表明することとは、正しい財務諸表に対して適正意見を、ごく稀ではありますが誤った財務諸表に対して不適正意見を表明する事、です。
当たり前の事ではありますが、残念ながら時々企業の不正(誤り)を発見できずに誤った監査意見を表明した事がニュースになっています。
不正を行なったのは企業の責任ですが、それを発見するのが会計士の責任でもあるため、これは大失敗した低品質な監査の典型です。
※上記には期中誤りを発見した場合には正しく修正するように指導する責任も含まれます。

次に、公認会計士(監査法人)は、自身が実施した監査業務が全体として適切に行われていたかどうかについて、会計士協会等からレビューを受ける事があるため、そこで重大な指摘を受けないことも高品質であるための必須条件です。
レビューで重大な指摘事項が発見され何かしらの処分を受けた会計士(監査法人)が公表されている事がありますが、これも低品質な監査の典型です。

②コスト
高品質であればいくらコスト(監査時間)をかけても良いという訳ではありません。
基本的に監査契約書には見積り監査時間とそれに基づいた監査報酬が記載されています。
実際の監査時間が見積り監査時間を大きく上回ると翌年以降の報酬値上げや監査契約解除にもつながるため、年間を通して多少のトラブルがあったとしても見積り監査時間通りに監査業務を終えることは、優秀な会計士であるための重要な条件です。

③委託企業とのコミュニケーション
高品質な監査業務を予定通りのコストで実施したとしても被監査先とのコミュニケーションが上手くいっていなければ、顧客からの信頼が得られておらず優秀な会計士とは言えません。
会計士と被監査先とは対等な関係にあるものの、年間を通してコミュニケーションを取る関係にあるため監査業務が円滑に行えるだけの関係は最低限維持する必要があります。

◆最後に
繰り返しになりますが優秀な会計士とは、年間を通して被監査先と円滑なコミュニケーションを取り、計画通りの監査時間で、正しい監査手続を実施した上で(=会計士協会から指摘を受けない)正しい監査意見を表明する、ことができる会計士です。
契約書の責任を果たした上で円滑なコミュニケーションが取れるというのは、税理士や他の業種でも共通した優秀であることの条件ではないでしょうか。

◆補足
品質やコストについては期中タイムリーには分からないように思えますが、実は日常のコミュニケーションの状況から大体分かります。
・提供したデータからすぐ分かるような質問(資料依頼)や、意図が全く分からない質問など、レベルの低い質問をしていないか
・毎回直前になってバタバタと質問、資料依頼、修正依頼をしてきていないか
・質問した内容についてタイムリーかつ分かりやすく回答してくれるか
・業務スケジュールはちゃんと事前に説明され、その通りの進捗状況となっているか

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